去年、僕は自分の乗っているカワサキのバイクをDIYで自家塗装しました。
結構いろんな方から、「どうやったの?」と聞かれることが多いので、今回はそのカスタムの全容をまとめてみます。
塗装の様子は動画にもまとめていますので、よけばこちらもどうぞ。
なぜDIY自家塗装したのか?
元々はブルーカラーだった僕のエストレヤ。
中古で購入した当初はこんな感じでした。
カウルも付き、スポーティーな感じで購入当初はとても気に入っていたのですが、2年も乗っていると不満点がいつか出てきました。
不満1.オリジナリティがなく、自分好みではない
カウルがついてマフラーも変わっているとはいえ、よくあるエストレヤです。
バイク自慢をしているバイク乗りたちのバイクの写真をTwitterなどで見るたびに、もっと自分だけのバイクにしたいなという欲がムラムラと出てきました。
それと、スボーティーな感じも自分好みではありませんでした。
僕はスピードを出してバイクに乗りたいタイプではなく、下道をトコトコと走りたいタイプなので、このカウルとかも必要ないなと。
もっと実用的な普段使いできるようにカスタムしたいと考えていました。
不満2.汚れ、サビが目立つ
10年以上前のバイクなので、仕方がないとはいえ、あちこちにサビや汚れがありました。
タンクにはエクボもあるし、メッキにはくすみとサビが浮いています。
特にここ最近、同じエストレヤ乗りの人と一緒にツーリングする機会があり、その時に向こうのエストがピカピカなので余計に自分のエストのボロボロ具合が目立つことに。
今からピカピカにするにはパーツとかもほとんど変えないといけないので、どうせなら経年劣化をもっと楽しめるようなバイクにしたいと考えました。
不満3.洗車が面倒
不満2と若干被りますが、洗車がとにかく面倒でした。
まあ、洗車は日々のメンテナンスで大事なのはわかっていますが、バイクを洗って、タンクを磨いて、メッキパーツを磨いて、ワックスを塗ってととにかく面倒。
しかも頑張っても、そんなに綺麗にならないし・・・
なので、洗車をしなくても汚れが目立たない、むしろ汚れが味になるようなカスタムができればなぁと思っていました。
そんな不満が積もり積もって、ついにDIYカスタムをすることを決意しました。
バイクをカスタムするための準備
ここから、バイクをカスタムするために事前にやったことを紹介します。
ちなみに、カスタムを決意してから準備に6ヶ月程度かかっています。この準備の手順をもっと早く知っていれば、もっとすぐにできたと思うので、これからバイクをカスタムしたいと思っている方は参考にしてください。
準備1.まずはお手本となるバイクの写真を探す
どんなバイクにしたいか、まずはお手本になるバイクの写真を探しましょう。
「エストレヤ カスタム」などでGoogle画像検索で調べれば、たくさんの画像が出てきます。
その中から、自分好みのバイクを見つけて、どうやればそのバイクみたいなカスタムができるかを見つけましょう。
何事もお手本が大事です。自分好みのお手本を見つけて、そのお手本を真似してみましょう!
ズブの素人が独自の考えでカスタムを考えるよりも、お手本を真似してしまう方が何倍も楽ですので。
お気に入りのバイクが見つかったら、ブックマークをしたり、Pinterestでまとめておいたりすると便利です。
そういった画像を探していくと、自分のしたいカスタムの傾向や名前がわかるようになるので、そこからさらにカスタムの方法を調べて見ましょう。
ちなみに僕が参考にしたのはこのサイトのバイクたち。
参考)
どうも僕はアーミーっぽいバイクに惹かれるようです。
アーミーカラーなら、汚れも目立たないし、むしろ「少しくらい汚れていた方が小慣れた感が出て良いんじゃないか!」ということで、僕はエストレヤをアーミーカラーにカスタムすることに決めました。
準備2.塗装の方法、費用、道具などを調べる
どんなカスタムにするか決めたら、塗装の方法や必要な道具を調べましょう。
ここからは、お金があるなら、業者に頼むのもありです。というかその方が時間も短縮できて失敗しないのでおすすめです。
でも、僕はどうしても自分でやって見たかったので、頑張って調べて見ました。
調べていると、バイク塗装のもっとも一般的な方法はスプレー塗装だと出てきました。
スプレー塗装の方法などを解説しているサイトや動画もたくさん見つかりました。
参考)
【バイク】スプレーでも綺麗にできる!カウルの塗装を成功させるコツ【DIY】
でも、このスプレー塗装、素人がやるとムラが出たり、綺麗にいかない失敗も多いらしいです。僕がやるには難易度が高そう・・・
しかも、アーミーカラーのスプレー塗装って少ないし、色合いと質感も僕好みではありませんでした。
溢れ出るコレじゃない感・・・・
うーん、どうしたものかと思っていたら、まさに理想のものを見つけました!!!
あそれがこの、アメカジ系雑貨を扱う、「キャンディータワー」さんのミリタリーペイント!
試行錯誤をなんども何度も重ねて出来上がった塗料というだけあって、まさに理想のアーミーカラー。
しかもこれは水性塗料なので、スプレーと違って失敗がしにくい!
足りない部分は後から塗り足せばいいし、細かい部分も筆を変えて細かく塗ればいいですしね。
ド素人の僕でもこれならいけるんじゃないでしょうか!
さらにこのキャンディータワーさんは、古いズーマーをミリタリーペイントで塗装した方法を全公開してくれていました。
参考)塗装のやり方を一挙大公開!【ズーマーの塗装に挑戦】戦車色に塗装してミリタリーズーマーを完成させる!アメリカ雑貨のテーマパーク!キャンディタワー
なんだよ。ただの神かよ。
塗装の方法など、全てこの記事を参考に、僕もやってみることにしました!
準備3.道具や塗料の購入
今回のカスタムのために購入した商品はこちら。
塗料類
まずは塗料のミリタリーペイント。これ1缶でタンクとアーモボックス、その他全てまかなえる量でした。
塗料を塗る前にさっと塗って下地を作る万能プライマー。
これは1缶の5分の1も使いませんでした。一つ買って置けば一生使えそう。
塗装した上に文字などを入れるためのステンシル類。
このステンシルがあるだけで、グッとオリジナリティーが上がるので、おすすめ!
シールタイプのステンシルが使いやすくて、初心者でも綺麗にできました。
ミリタリーペイントができない部分用の耐熱マットブラックスプレー塗料。
主にマフラーを塗装するために購入しました。
スプレーは扱えるか不安でしたが、マットブラックなので、ムラが出てもほぼわからない。素人でも全然平気でした。
そして忘れていけないのが、今のタンクの塗料をのける塗装剥がし剤。
これ1缶でギリギリ足りました。
後、タンクに凹みがあったので、その補修用のパテを購入。
このパテは説明書もわかりやすく、初心者でも簡単にできました!
アーモボックス(パニーケース)用品
今回のカスタムでもう一つしたかったのが、アーモボックス(弾薬箱)をパニーケースとしてバイクに装着すること。
アーモボックスは軍で使用する弾薬箱のことです。
弾薬を入れるための容器なので、防水性と耐久性は抜群!バイクにぴったりです!
アーモボックスは、ネットショップやヤフオクで、実際に軍が使っていた中古品を購入できますが、なんとAmazonでは新品も売っていました。
僕は横幅が大きくなることが嫌だったので、スモールタイプのものを2つ購入しました。
新品で1つ3000円しないとかコスパ良スギィ!
そして、弾薬箱を取り付けるためのステーはキジマのステーを左右購入。
その他の道具
塗料を落としたり、削ったりするためのサンドブラスター。
いくつか買ったのですが、このスポンジタイプが一番使いやすかったです!
塗ったらいけないところとかを目張りするマスキングテープ。
塗装用のハケ
そして、こちらも塗装用のスポンジ。
目の荒いスポンジだったらなんでも良いのですが、このスポンジはミリタリーペイントでは必須!
使い方は後述しますが、このスポンジがミリタリーペイントの質感を出してくれます!
いよいよ素人がズボラにDIYミリタリーペイント!
そして、道具も揃ったところで、いよいよバイクカスタム!
カスタムの様子は動画でもまとめたので、よければ見てやってください。
動画はこちら。
ちなみに、塗料を塗るとき、タンク以外は全て取り外さずに塗っていますw
単純に付け外しが面倒だったのと、取り外したらもう一度正確に取り付ける自身がなかったからです←
こんなズボラなど素人でもペイントできるミリタリーペイントってやっぱりすごい!
ここからは動画のキャプチャ写真を見ながら、自家塗装の様子を解説していきます。
塗装前のエストレヤ
塗装前のエストレヤはこんな感じ。
洗車した後なので、メッキパーツが眩しいですね。
フハハ、今からそのメッキを塗りたくってやろう!
エンブレムの取り外し
まずはエンブレムをとり外します。
このエンブレムは両面テープでくっついてるだけなので、シール剥がしを使ってちょっと硬いものでくいっとすれば簡単に取り外せます。
タンク外し
そして、タンクを車体から外します。
エストレヤの場合タンクを止めているのはシートの下のこのネジ1つ。
このネジをレンチで外します。ネジは無くさないように注意しましょう。
そして、タンクとエンジンが繋がっているチューブを引き抜きます。
このとき、チューブの中に入っているガゾリンがちょろっと出ることがあるので、軍手とかで受け止めてあげると良いです。
ガソリンがタンクの中に入っていても問題ないですが、たっぷり入っていると重たいので、少なくして置くと良いでしょう。
次に、ガソリン給油口の金具を取り外します。
ネジ2本を外すだけです。
そして、給油口はマスキングテープでしっかり目張り。
塗料が入らないようにしましょう。
塗料剥がし
次に塗料剥がし。
塗料剥がし剤を手早くタンクに塗ります。
この塗料剥がしが綺麗にできるかどうかでタンク塗装の8割が決まるそうです。
塗料剥がし剤を塗ると、こんな感じに塗料が浮き上がってきます。
この光景はちょっと面白かった。
そして、浮き上がった塗料をヘラなどで落としていきます。
一度で全部の塗料を落としきることはできないので、「塗料剥がし剤を塗る」→「へらで落とす」を何度もなんども繰り返します。
そして、だいたい綺麗になったら、落としきれなかった細かい塗料をサンドペーパーで削って落とします。
タンクの凹み補修
少しわかりにくいですが、ここに購入時から凹みがあったんですよ。
せっかくなので、この凹みも補修します。
説明書に沿って、凹み部分をサンドペーパーで綺麗に。
パテを混ぜ合わせて
固まる前に手早く塗っていきます。付属の曲がるヘラをうまく使うことが大事。
結構難しかった。
デコボコになっても、サンドペーパーで削って平らにするので、ちょっと塗りすぎたくらいがいいかもしれません。
素人ながら、触ってもわからない程度に補修ができました!
ちなみにここまでの作業で約3時間。
この日の作業は終わりにして、翌日することにしました。
タンク塗装
そして、いよいよタンク塗装。
まずは万能プライマーを手早く塗ります。
そして、いよいよ登場、ミリタリーペイント!!!
いやーいい色だ!
最初はハケで塗っていました。
しかし、ハケで塗るとこのようにハケ跡が・・・
そこでスポンジの登場!スポンジをハケがわりにして、ポンポンと叩くように塗装すると、スポンジの凹凸がいい感じの質感を出してくれるんです。
最初っからスポンジで塗装しておうた方がよかったかもしれませんね笑
メッキパーツ塗装
フェンンダーなどのメッキパーツ塗装。
最初に傷をつけているのは、「メッキパーツはコーティングされているから、塗料が乗りにくい」という記事を見つけたから。
傷つけてコーティングを落としておけばいいんじゃないかという考えです。
結局、これが正しいやり方かわかりませんでしたが、塗料は一年経った今でも剥がれることなくしっかり残っています。
もしかしたら、万能プライマーだけの下地づくりでもよかったかもしれません。
マフラーの塗装は他の部分にスプレーがかからないようにダンボールを差し込んで塗装。
マフラーには焦げ付きや傷があって、結構目立っていたのですが、割といい感じに塗装できて綺麗に隠れてくれました。
マフラー塗装している時に、「あ、これサスペンンションもいけるんじゃね?」と思いついたので塗ってみました。
結果は大正解。このサスの内側はサビが浮いていて、どうしようもなかったのですが、いい感じにサビが隠れてかっこよくなりました。
塗った結果がこんな感じ。
なかなか綺麗に塗れました。
ちなみに、調子に乗りすぎてフロントフォークまで塗ってしまうというバカなことをしてしまいました。
後で必死に落とすハメになったので、塗ってはいけない部分は最初に要確認です!
アーモボックスの加工・取り付け
続いて、アーモボックスの加工。
まずは取り付けるための穴を空けます。
そして、こちらもミリタリーペイントを塗る。
もともとグリーンなアーモボックスですが、微妙に色合いが違ったので、塗りなおすことにしました。
そして、取り付け。
取り付けにはホームセンターで買ってきたU字型の金具をナットで止める感じで取り付けました。
金具が内側に突き出るのがブサイクではありますが、しっかり止まってくれているので、今のところ満足です。
ステンシル
そして、いよいよ終盤戦。
ステンシルで文字を入れていきます。
こちらも叩くようにポンポンと」塗料を塗っていきます。
このシール型のステンシルはとてもよかったです!複雑なマークも楽々!
シールなので使い切りですが、これは買って本当によかった!
取り付け
そして、いよいよタンクを乗せて取り付け。
抜いたチューブを忘れずに差し込みましょう。
完成
そして、ようやく完成!!!!
ド素人がやった割には、かなりいい感じに仕上がって大満足です!!!
まとめ
いかがだったでしょうか。
素人作業なのでところどころ塗りが雑なところもありますが、それも一つの味です!
そして、何より嬉しいのが、塗料が剥がれたりすればまた後から重ね塗りすればいいこと!
ちょっとの傷なんか気にならないタフバイクの出来上がりですよ!
景色にもよく馴染み、人から声をかけられることも多くなりました(9割はおっさんに)
何より、自分だけのカスタムバイクに乗っている優越感で、前よりもバイクが好きになれました!
バイクのカスタム、特にアーミーカスタムを考えている方の少しでも参考になれば嬉しいです!